Japanese Language Test JLPT 2004 Question Sheet 2kyuu Dokkai Bunpou 2

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Japanese Language Test JLPT 2004 Question Sheet 2kyuu Dokkai Bunpou 2

問題用紙

2級

読解・文法

(200点 70分)

問題Ⅱ 次の(1)から(3)の文章を読んで、それぞれの問いに対する答えとして最も適当なものを1,2,3,4から一つ選びなさい。

(1)「お母さん、もう少し大人になりな(注1)、お父さんくらいに」
私の背中に6歳の息子が言った。自転車の後ろに乗せ、幼稚園に向かう途中のことだった。ドキッとした。
確かに私は一日中、3人の子どもに片づけ(注2)をしなさいとか、宿題をやってしまいなさいとかうるさい。頭に来ると子どもと同等(注3)になってけんかをしている。それに比べ 夫はその様子を少し離れて見ていてたまに口出(注4)しするくらいで大人なのだ。
それにしても幼稚園児(注5)の言うことにしては立派過ぎる。「大人って?」と聞いてみた。
すると、後ろから私の体に手を回して「ほら、お母さんこんなに小さいよ。もっと大人になってお父さんくらい大きくなって!」。な一んだ体の大きさのことだったんだ。
私は「大人だって小さい人はいるよ。ほら、おばあちゃんなんて大人なのにお母さんより小さいよ」と投げかけた。
「あのね、おばあちゃんはぼくが生まれる前、大人だったんだよ、でもね、今はおばあちゃんになって縮んだの」。う一んなるほど
初めは「大人になりな」なんて言われて反省し、次はおばあちゃんを大切にしなければと考えさせられた。
幼稚園に着いた。息子は手を振り、門をくぐって(注6)行く。後ろがいつもより大人(注7)びて見えた
(2001年11月3日付『朝日新聞」による)
(注1)なりな:なりなさい
(注2)片づけをする:片づける
(注3)同等:同じ程度
(注4)ロ出し:他の人の話に横から何か言うこと
(注5)(幼稚園)児:(幼稚園の)児童
(注6)くぐる:下を通って抜ける
(注7)大人びて:大人のように

問(1)  筆者は最初「大人になりな」という言葉をどのような意味だと思ったか。

1.子どもに対して立派なことを言って、子どもに尊敬されるようにという意味
2.子どものようにすぐ感情を表さないで、常に冷静でいるようにという意味
3.子どもと同等の立場で、子どもの気持ちをよく理解するようにという意味
4.自分の意見を持って、子どもの行動によく口出しするようにという意味

問(2)  この子どもは「大人」ということをどのようにとらえているか。

1.子どもを持っている人は大人で、子どもを持っていない人は大人ではない。
2.孫を持っている人は大人で、孫を持っていない人は大人ではない。
3.子どもは必ず大人になるが、中には体の小さい大人もいる。
4.体が大きい人は大人で、体が小さい人は大人ではない。

問(3)  ①「う一んなるほど」とあるが、このとき筆者はどんなことを考えたか。

1.年をとって小さくなったおばあちゃんを大事にしようと思った。
2.息子も大人の会話ができるようになったと思った。
3.自分ももっと大人になったほうがいいと思った。
4.自分より夫の方が大人だと思った。

問(4)  ②「後ろ姿がいつもより大人びて見えた」とあるが、なぜそう見えたのか。

1.子どもの言葉によって、いろいろ考えさせられたから
2.子どもが一人で手を振りながら歩いて行ったから
3.子どもなのに大人のようなロの聞き方をしたから
4.子どもがおばあちゃんの心配をしているから

(2)自分の気持ちを言葉にして身近な(注1)人に話しかけるとき、抽象的な表現をしても、相手には何のことかピン(注2)と来ないことが多いはずです。言いたいことは常に具体的に。これが大切です。
どうしても伝えたいことがある。しかし、わかりやすく表現できない。そんなときは、伝えたい内容を示す具体的な例はないかな、と考えてみるのです。
(中略)
あなたに誰かが話しかけてきたと考えてください。このとき、あなたが知っている人の名前や、行ったことがある土地の名前が出てくると、思わず話に引き込まれる(注3)ことがあるはずです。聞いたこともない国の地名が出てきて、その国が抱える問題点を聞かされても、「だから、どうしたの?」と聞き返したくなるかもしれません。
会話は、相手が参加してくれてこそ成立します。だったら、相手を話題に引き込む材料が必要です。それが、具体例なのです。あるいは、お互いがよく知っている固有(注4)名詞なのです。
(池上彰『相手に「伝わる」話し方』による》
(注1)身近な:自分に関係が深い
(注2)ピンと来ない:すぐには分からない
(注3)話に引き込まれる:話に興味を感じて聞く
(注4)固有名詞:人の名前や地名、会社名など

問(1)  ①「言いたいことは常に具体的に」の後に続くと予測されるもの<はどれか。

1.話さなくてもいい
2.表さなければならない
3.思い出すかもしれない
4.わかるようになるだろう

問(2)  ②「聞き返したくなる」のはなぜか。

1.自分の話す内容に相手は関心がないから
2.その国の話題について自分は興味があるから
3.その話は自分にはあまり関心がないことだから
4.相手が関心のない話題に自分も興味がないから

問(3)  ③「会話は相手が参加してくれてこそ成立します」とはどういう意味か。

1.会話の相手が話したいと思わなければ、会話はできない。
2.相手が身近な人なら話題に引き込まれて会話ができる。
3.会話の相手によって話し方を変えていては、会話はできない。
4.会話の相手は具体例がなくても会話に参加することができる。

(3) 国民の多くが、自分たちのいいように税金を使ってほしいと考えている。道路を作ってもらいたいとか、学校をたくさん作ってほしいとか、反対に何も作らなくていいから、その分税金を安くしてほしいとか、いろいろな意見がある。
税金は国民が払ったものである。しかし、税金が自分たちの都合がいいように使われないと言って、政府を批判するのはどうかと思われる。
税金の使い道(注)は、必ずしも国民の思いどおりにはならない。ある国民にとって都合のよい使い道であっても、国全体から見るとそうでない場合があるから である。たとえば、税金を使って、ある県に高速道路を作ったと考えてみよう。その県の人々にとっては、高速道路が作られれば生活が便利になる。観光客も増 える。(②)、同じだけの税金を払っている他の遠くの県の人にとっては、その高速道路を使う機会は全くないだろう。
このように、税金を全体にバランスよく使うことは難しい。したがうて、国民は自分たちの直接の利益にならないといって、単純に政府を批判するぺきではない。一方で、政府もできるだけ不公平が生じないように、十分気をつけて税金を使ってもらいたいものである。
(注)使い道:お金などを使う方法、目的

問(1)  ①「政府を批判するのはどうかと思われる」とあるが、筆者の考えに最も近いものはどれか。

1.政府の決定に賛成だ。
2.政府の決定に反対だ。
3.政府批判に疑問がある。
4.政府批判と同様の意見だ。

問(2)  (②)に入る最も適当な雷葉はどれか。

1.しかし
2.それで
3.したがって
4.そのうえ

問(3)  本文の要約として最も適当なものはどれか。

1.税金が自分たちにとって都合よく使われるように、国民は政府を批判していくべきである。
2.政府はいつも国民に平等に利益があるように税金を使っているので、批判されるべきではない。
3.税金の使い道を決める時、政府は全体のバランスを重視しているので、不公平感が生じることは少ない。
4.税金は全ての国民にとって直接利益になるわけではないが、政府ほそれを平等に使うよう努力をするべきである。

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