Japanese Language Test JLPT 2003 Question Sheet 2kyuu Dokkai Bunpou 2
問題用紙
2003 2級
読解・文法
(200点 70分)
問題Ⅱ 次の(1)から(3)の文章を読んで、それぞれの問いに対する答えとして最も適当なものを1,2,3,4から一つ選びなさい。
1) ついこの前、近くのお店に買い物に行った時のこと。
私がお店を出ようとすると、前に電動三輪車<sub(注1)></sub(注1)>①「ありがとう」という声が聞こえた。驚いて振り返る
<sub(注2)></sub(注2)>私は<sub②>おじいさんに、とても申し訳ない気がした。お礼を言われるまで、おじいさんにとって自動ドアを通ることが大変だなんて、少しも気付かなかった。結果として親切な行動となったが、それは偶然のことで、親切な気持ちではなかったのだから。
私には何ともないことでも、苦労する人がいるのだと、実感した出来事だった。 その人の立場にならなければ、なかなか分からないことだけれど、今度こんな状況に出合ったら、すぐに気が付くようにしたい。そして、今度はお礼を言われても、それにこたえられるような、気持ちからの行動にしたい。
(2001年1月4日付朝日新聞による)
(注1) 電動三輪車:歩くのが困難な人のために作られた、電気で動く乗り物
(注2) 振り返る:後ろを見る
問(1) おじいさんはなぜ①「ありがとね」と言ったのか。
1.動かなくなった電動三輪車を押してくれると思ったから
2.自分のために電動三輪車を運んでくれると思ったから
3.自分に合わせてゆっくり歩いてくれたと思ったから
4.自分のために自動ドアを開けてくれたと思ったから
問(2) 筆者はなぜ②「おじいさんに、とても申し訳ない気がした」のか。
1.おじいさんが他の人と間違えて筆者にお礼を言ったから
2.親切な気持ちからしたのではないのに、ありがとうと言われたから
3.お礼を言われたのに、おじいさんが自動ドアを通るのを助けてあげなかったから
4.おじいさんが自動ドアを通るのが大変だと気付かず、ドアを閉めてしまったから
問(3) 筆者はこれからどうしようと思っているか。
1.お礼を言われたから、今度ははっきり返事をしたい
2.相手のことを考えて、自分から人を助ける行動をしたい
3.困っているところを助けられたら、必ずお礼を言うようにしたい
4.自分には何ともないことでも、他の人がいやがることはしないようにしたい
(2) 首都圏(注1)在住(注2)で4~9歳の子を持つお母さん500人を対象に実態(注3)調査をしたとこ ろ、子どもだちは年平均4.6回風邪をひき、10回以上をひく子が1割以上いることがわかった。
「今の子どもは、あなたの子どものころと比べて、風邪をひきやすくなったと感じるか」という問いに対して半数以上が「今の子どもの方がひきやすい」と答え、原因として「外で遊ばなくなったから」「食生活の変化」「体力の減退」などを挙げた。
子どもが風邪をひいた時の夫の対応(注4)は、「協力的だ」が6割を超えた。夫に協力し てほしいこととしては「早く帰宅して」「他の子どもの世話をして」「自分の身の回りのことは自分でして」という回答が多く、「看病してほしい」というのは1割ほど。父親には、看病する能力をあまり期待していないようだ。
(『サイアス』2000年3月号による)
(注1) 首都圏:東京とその周辺の地域
(注2) 在住:そこに住んでいること
(注3) 実態:実際の状態
(注4) 対応:ここでは、それに対する態度のこと
問(1) 今の子どもの風邪をひく回数について、正しいものはどれか。
1.1年に1回風邪をひく。
2.1年に6回風邪をひく。
3.1年に10回程度風邪をひく。
4.1年に4~5回程度風邪をひく。
問(2) 母親は、今の子どもについてどう思っているか。
1.風邪をひいたときでも外で遊びたがる。
2.自分の身の回りのことは自分でできる。
3.母親が子どもだったころより体力がある。
4.母親が子どもだったころより風邪をひきやすい。
問(3) 子どもが風邪をひいたとき、多くの母親は、夫にどうしてほしいと考えているか。
1.自分自身のことは自分でしてほしい。
2.家族のために料理や家事をしてほしい。
3.風邪をひいた子どもの世話をしてほしい。
4.子どものことは心配しないで仕事をしてほしい。
(3) ①日本人はだれがほんとうの責任者なのかわかりにくい、と言われている。 日本人と会議をすると、すぐに「それは本社と相談して」と言われるからだ。そ の場で決めてくれない。会議に出ている社員ばかりではない。社員でさえ、いや日本の首相でさえ、その場で一人で決めることはできないである。まわりの一人々と相談して、全員の了解(注)を取って、初めて決定できる。日本人はそれに時間をかける。
このことは、よく外国人から批判の対象になってきた。しかし、私はその批判に対して二つのことを言いたい。
第一に、②これは日本のことだけではないということだ。実はどこの国にもあること である。大統領でも首相でも、何でも一人で決めていたら大変なことになる。まわりと相談するのは当然のことだ。ただ日本のやり方はそれが徹底していて、ほかの国よりきびしいだけなのである。
第二に、そのおかげで日本人はまとまって次の行動ができるのである。つまり、決定には時間がかかるが、( ③ )。
したがって、「本社と相談しまして......」決して悪いことではないのだ。
(注) 了解:承認
問(1) ①「日本人はだれがほんとうの責任者なのかわかりにくい」のはなぜか。
1.首相以外はものごとを一人で決められないから
2.ものごとを決定するとき、全員の了解が必要だから
3.ものごとを決定するとき、外国人の批判をさけているから
4.ものごとを決定するとき、責任者はいつも本社にいるから
問(2) ②「これ」は何を指しているか。
1.ものごとを会議の場だけで決定しないこと
2.会議に出ている人々で相談して決定すること
3.大統領や首相にものごとの決定権があること
4.首相の決定について外国から批判があること
問(3) ( ③ )に入るものはどれか。
1.そのために、決定の後から反対があるのだ
2.その後で、責任者を決めることができるのだ
3.その後は、反対者もなく計画が進められるのだ
4.それまでは責任者は一人で計画が進められるのだ