Japanese Language Test JLPT 2002 Question Sheet 2kyuu Dokkai Bunpou 3
問題用紙
2002 2級
読解・文法
(200点 70分)
問題Ⅲ 次の(1)から(4)の文章を読んで、それぞれの問いに対する答えとして最も適当なものを1,2,3,4から一つ選びなさい。
(1) 先日、手術をなさったとのことですが、その後お加減はいかがでしょうか?こちらはみんな変わりなくやっています。
上の娘が修学旅行(注1)で京都に行ってきました。あちらは今、ちょうど紅葉真っ盛りのようで、嵐山(注2)が美しかったそうです。
覚えていますか?私たちも高校生の修学旅行で、京都に行きましたね。嵯峨野(注2)で食べたお豆腐がおいしかった。懐かしいですね。また、あなたが元気になったらまいりましょう。 娘が京都で買ってきた、絵葉書を同封(注3)します。
それではまた、お大事に。
市田ひろみ『心を伝える手紙の書き方』による)
(注1) 修学旅行:研究•見学のため教師が生徒を連れて行く旅行
(注2) 嵐山、嵯峨野:京都の中の地名
(注3) 同封する:封筒のなかに一緒に入れる
問(1) 手紙を書いた人の説明として正しいものはどれか。
1.友人が病気で、その病気が治ったら一緒に京都へ行きたいと思っている。
2.京都にいる友人に、嵯峨野へ旅行に行く計画の相談をしたいと思っている。
3.最近手術をしたが、治ったら嵯峨野へ行って、豆腐をたべたいと思っている。
4.紅葉の美しい嵐山の絵ハガキを高校生の娘に買ってきてほしいと思っている。
2) 私たちは、食べるためばかりでなく、便利で快適な生活を送るため、知らず知らずのうちに多くの生き物の命を奪っています。しかしこのことは、日常生活のなかで実感としてもつことはすくないでしょう。人が生き物の命の尊さ(注1)をわかるには、逆説的(注2)になるかもしれませんが、生き物の命をあやめて(注3)いるという「実感」をもたなければならないでしょう。そうした過程を経(注4)なければ、いのちの尊さなどというぉとはわからないのではないでしょうか。
(松浦秀俊『川に親しむ』による)
(注1) 尊さ:大切さ
(注2) 逆説的になる:矛盾しているように見える
(注3) あやめる:殺す
(注4) 経る:通る
問(1) 「そうした過程」とはどのようなことか。
1.生き物とともに、便利で快適な生活を送る経験をすること
2.実際に生き物を殺しているということを心から強く感じること
3.食べるためには、多くの生き物を殺すことは当然だと考えること
4.多くの生き物の命を奪っていることに気づかないまま生活すること
(3)「急がば回れ」という諺がある。急いでいるのなら回り道をしたほうがいいという意味であるが、急いでいる時に遠い回り道を選ぶ人はいないだろう。多 少の危険があっても近道をしてしまうのが普通ではないか。つまり、これは実際に回り道をしろと言っているのではなく、あわてて事故を起こしたりしないよう に、それだけの余裕を持てということなのだ。
問(1) 筆者によると、「急がば回れ」は急いでいる時にどのようにした方がよいということか。
1.危険があっても近道をした方がいい。
2.危険があっても遠い道を選んだ方がいい。
3.事故を起こさないように遠い道を選んだ方がいい。
4.事故を起こさないように十分余裕を持った方がいい。
4) 私は、病気は、人間にとって偶然おちかかってくる(注1)事故のようなものだち思っている。それを、どのように受け止める(注2)かは、一人一人の人間のすることで、病気が逆に、ある人間にとっては、時がたつうちに、しあわせな事件であったということにもなるのだ。
(なだいなだ「お医者さん」『定義集』による)
(注1) おちかかってくる:ここでは「(よくないことが)おこる」の意味
(注2) うけとめる:ここでは「考える」の意味
問(1) 筆者が病気について言っていることとあっているものはどれか。。
1.かならず後でしあわせにつながるもの。
2.交通事項のように突然起こる不幸なもの。
3.一人一人の人間がいつも考えているべきもの。
4.考え方によってはしあわせになる可能性もあるもの。