Japanese Language Test JLPT 1996 Question Sheet 1kyuu Dokkai Bunpou 3

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Japanese Language Test JLPT 1996 Question Sheet 1kyuu Dokkai Bunpou 3

問題用紙

1996 1級

読解・文法


(10045)

 

問題次の (1)~(6)の文章を読んで、それぞれの問いに対する答えとして最も適当なものを1·2·3·4から一つ選びなさい。

 

(1)今日ほど「労働」が見失われている時代はあるまい。働くなかで仕事や人に教えられ、ある  いは人と力を合わせて働いた成果で社会と結ばれていることを実感し、それら  によって自分の働きの意味と生きていることの意義を確かめられったことから私たちはしばらく無縁(注)でいる。「労働の喜び」といった表現がひどく古めかしく感じられるほど、「労働」は活から遠ざかっている。

 

(森清『ハイテク社会と労働』岩波新浮による)

(注)無縁:関係がないこと

 

問  (1)『労働』が見失われている時代とは、どのような時代か。

1.労働する場が減って、失業が増えている時代

2.古くから社会にある仕 事が忘れられている時代

3.労働することの意義が実感できなくなった時代

4.個人の楽しい生活を仕事とは分けて考える時代

② コンピュータは他の機械とは本質的にちがっている。普通の機械はそれぞれ固有の目的のために作られていて、そののためには使えない。これに対して、コンピュータは計算を するだけでなく、他のいろいろな機械の働きを模擬するそこでコンピュータは人間の知的活動を模擬することができるのではないかと考えて、これを人工知能研究と名づけ、が始まった。

 

(長尾真『入工知能と人間』岩波新書による)

(注)模擬する(やや特別な使い方):まねをする

 

問(1)人間への挑戦というのは、どのような意昧か。

1.入間の能力とどちらが優れているか競争すること

2.機械を支配する人間から自立する戦いをすること

3.人間が持つ知能の働きに近づけようとすること

4.他の機械の働きも入れて人間の能力以上になること

 

(3)「太田さん、①変わりませんね

(中略)、四年ぷりにホテルのティー·ルームでお会いした編集者のAさんからそのようにいわれた時、わたしはみた目のことたのだと思って、自然ににっこりした。

「Aさんも、お変わりありませんわ」

ダーク·グレイ(注)のスマートな背広姿は、四年前と変わりがなかったが、その髪にはいくらか白いものが目立つようになっいながらそういったのである。

「いや、ちょうど十五分、遅刻したところがですよ」

Aさんは眼鏡の奥の眼をいたずらっ子の少年のように、わざと大きくしながらいわれた。私は、②しばらくの間顔を上げるこなかった

(太田治子『気ままなお弁当箱』中公文庫による) (注)ダーク·グレイ:濃い灰色

 

問(1)  ①変わりませんねとあるが、Aさんは何が変わらないと言ったのか。

1.人と会うときは「お変わりありませんね」と言うこと

2.約束の時間にいつもちょうど十五分だけ遅刻するくせ

3.四年前に会ったときの見た目と今回会ったときの見た目

4.人と会うときはいつも外観のことばかり気にするくせ

 

問 (2)②しばらくの間顔を上げることができなかったとあるがそれはなぜか。

1.Aさんのいたずらっ子の少年のような眼がとても面白かったから

2.約束の時間に十五分も遅れたことをはずかしいことだと思ったから

3.Aさんのダーク·グレーの背広姿があまりにスマートに見えたから

4.Aさんが言った言葉を自分が誤解していたことに気がついたから

 

(4) 次の文章は、下のグラフを説明したものです。 日本人の日常生活で一般的に使用される電気製品や自動車の購二入のように変化して  いるだろうか。グラフを見てその変化と理由を検討してみよう。このグラフは1980年の購入価  格をの毎年の購入価格を表したものである。( a )は、1987年を境に購入  価格が急速に上昇したが、1989年からはあまり変い。その理由としては1988年頃、CDプレーヤーがついて価格が上がったためと考えられる。( b )も同様に1987年頃から格が上昇しているが、1991年を頂点にそれ以後下降に転じている。これは大型化によ  る価格の上昇とその後の消費者れが影響していると考えられる。1985年から統計をとり始めた( c )を見ると、購入価格は少しずつ上がってきたが、1992下降し始めている。( d )

も、1983年から次第に上昇し、さらに1993年には大きく購入価格が伸  びている。その理由はしたからである。

 

(グラフ:家計消費研究会編『家計簿からみたニッポン1994』による)

 

問 (1)  グラフを見て、文章中の(a)(b)(c)(d)にはそれぞれ何が入るか、次の組み合わせの中で正しいものを選びなさい

1.a:テレビ b:テレビ  c:ビデオテープレコーダー  d:自動車

2.a:テレビ b:ビデオテープレコーダー c:ビデオテープレコーダー  d:テープレコーダー

3.a:テープレコーダー  b:テープレコーダー c:自動車 d:自動車

4.a:テープレコーダー b:テレビ  c:自動車 d:ビデオテープレコーダー

 

(5) 次の文は、文化の定義について述べたものである。 まず、ドイツ流の使い方では、一般に「文化」と「文明」とを区別神的·理想  的な価値の実現としてとらえられ、哲学·宗教·科学·芸術など、民族の生みだした高度の精神的所産を、技術的·物質的·実際的所産(注1)を意味している。これに対して英米流 の文化概念では、芸術作品など、人間の高度から食事作法などの日常的な生活習慣まで、きわめて包括(注2)的にとらえられている。文化と文明とを区別することがっもなて、木皮や獣皮(注3)でつくられた腰蓑(注4)も、漱石(注5)の文学やモーツァルトの音楽も、さらには子どもの育て方や夫婦方までもすべて文化とみなされる。したがってこの立場では、文化 のない社会は考えられ文化をもたない人間もいないということにくる。

 

(野口英子「パーソナリティ·文化·社会」,鈴木広編著『現代社会を解読する』ミネルヴァ書房による)

(注1)所産:何かが行われた結果、生まれでてきたもの

(注2)包括:関係があるものを全部一つにまとめること

(注3)獣皮:動物の皮

(注4)腰蓑

(注5)漱石:明治·大正時代の文学者

 

 

問(1) 文中に述べられたドイツ流の考えでは文化と文明はどのように分けられるか。次の中から正しいものを選びなさい

1.漱石の文学モーツァルトの音楽 / 木皮や獣皮で作られた腰蓑子どもの育て方·夫婦関係のあり方

2.木皮や獣皮で作られた腰蓑子どもの育て方 / 漱石の文学·モーツァルトの音楽夫婦関係のあり方

3.漱石の文学·モーツァルトの音楽、子供の育て方·夫婦関係のあり方 / 木皮や獣皮で作られた腰蓑

4.漱石の文学·モーツァルトの音楽、夫婦関係のあり方 / 木皮や獣皮で作られた腰蓑子供の育て方

 

(6)下のA~Dは 、 それぞれア 、ー イ 、 ウ 、 エのどこかに入る文です 。 いままでの生物学というのは 、 もっぱら種物学であった 。(中略)では 、 種レベルの行動と個体レベルの行動とは 、 そもそも(注1 ) のはじめから異質(注2 ) って 、 相つながら(注3)   ないものであろうか 。

 

(ア)

(イ)

(ウ)

(エ)

 

A おそらく 、 私のこのような考えは 、 これをそのまま人間社会における文化現象に適   用しても 、 あえて矛盾するとここないであろう 。

B  私はそうばかりとは思わない 。

C 群れをつくっているものの場合には 、 個体レベルの行動と種レベルの行動とのあいだ に 、 なおもう一つ 、 群れレベいうものを 、 はさむ必要があるかもしれない 。

D はじめは個体レベルの行動として発生したものも 、 やがてその行動力 · 個体間に普及して 、 大多数の個体に認めらなれば 、 そのときはもはや個体レベルの行動でなくて 、種レベルの行動といわねばなるまい 。

(今西錦司 「 人間社本放送畠版協会による)

( 注1 ) そもそも:もともと

(注2 ) 異質 : 性質が違っていること

(注3) 相つながる : 互いにつながる

 

問(1) 正しい組み合わせのものを選びなさい。

1.ア:B    イ:C   ウ:A   エ:D

2.ア:B イ:D ウ:C エ:A

3.ア:C イ:D ウ:B エ:A

4.ア:C イ:B ウ:A エ:D

 

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